先週行った南伊豆は完全に春でした

 どの口で更新頻度上げたいと。あけましておめでとうございます。

 2月というのは真冬ではなく、早春に足を突っ込んでいるのですねえ。僕は寒いのが大好きなので、ぼんやりしている間に冬が駆け足で去っていく様子に愕然としています。返せ戻せ。東京だと真冬でなくなったことに気づくのは気温もさることながら湿度かな。ここ何日か、加湿器を使っていません。さびしい……。

 お知らせがいろいろあります。
 遅くなりましたが冬コミで出した本『御機嫌如何』の通販を始めました。同人漫画詰め合わせ本です。めずらしく分厚いので、いつものラクガキ本に慣れた皆さんから驚きの声を多々頂いております。面白いですよよろしく!

boctokpress.booth.pm

 2月25、26日に東京は代官山 蔦屋書店で「サブカル市」というイベントが開催されます。そこで26日(日)にサイン会をすることになりました。閑古鳥だとしょんぼりするので来てね来てね。これで胸を張って僕もあなたもサブカルです。こちらから先行予約できます。

https://peatix.com/event/3503362

 また、4月始まりのサブカル市特製カレンダーに僕も描いています。参加しているメンバーが豪華で本当に僕が混ざっていいんでしょうか。

 2月末に発売の『楽園 Le Paradis』41号に東部戦線ウェスタン『スターリングラードの凶賊』4話が載ります。いわゆるスターリングラードの戦いが本格的に始まります。買ってね読んでね!

www.hakusensha.co.jp


 あれッ、前回から「ですます調」に戻ってますね。やはりこっちの方が性に合っているのかしらん。

■追記■
 松本零士が亡くなってしまった。享年85、大往生というべきでしょう。
 鳥の雛は最初に見たものを親と認識するといいます。僕にとっては松本零士がそうでした(正確に言えばその前に『のらくろ』へ接していたのだけど、さすがに現代のものではないという意識はあり……)。
 親戚の家で出会った戦場まんがシリーズからの刷り込みは言葉に表わすことができません。衝撃、ではなくごく自然に親と思ったようなものです。漫画とはあれでした。小学生の頃、日々描き飛ばしていた漫画は戦場まんがシリーズから直結していたなにかでした。嫌な小学生だね。セックスの場面とかなんのことやらわからなかったなあ。わからないネタは多くとも、ちゃんと面白い漫画はちゃんと面白い。この感覚は僕に強い影響を与えています。
 その後出会った『銀河鉄道999』は今でも少年冒険漫画として常に意識しているし、『ガンフロンティア』は娯楽漫画描くあるべしのお手本だし(松本零士名物の巻き紙モノローグはこの作品が最高峰だ)、鬱屈したとき『男おいどん』『聖凡人伝』は常に精一杯横にいてくれる。挿絵もノースウェスト・スミスの世界は僕の一部だ。呑み、喰い、撃ったり斬ったりし、メカが活躍したり壊れたりし、どんどん脱ぎ、どんどん死ぬ。虚無感や寂しさが躁的な花も嵐も踏み越えて主義と同居する。

 90年代以降の迷走ぶりは相当に厳しくてついていくことができなかったのも事実で、後半生の諸々も誰かしっかり論評してもらいたいものです(大雑把にはご自身の情念に呑まれてしまったのだと思うのだけど)。しかし松本零士は煮えたぎる情念、偉大なるド天然の人であり、ド天然でなければあの数々のドラマやセリフは出てこないのでしょう。偉大なる漫画家は偉大なる真ッ当な人ではない。

 松本零士がいなければ僕は漫画を描いていません。本当にありがとうございました。