『クルスク航空戦 下 南部戦区』(大日本絵画

ザ・マジックアワー

 同じ三谷監督の『ラヂオの時間』で泣いてしまう類の人は必見。映画の映画なので、そもそもそういうネタが好きな人にとっては反則気味の作品でもあります。ちょっと冗長だとか、西田敏行西田敏行にしか見えないとか(それでも魅力的なのは、華があるということでしょう)、そんなささいなことはどうでもよろしい。佐藤浩市(好きだー)が心の支えにしている映画『暗黒街の用心棒』を観に行っているところとか、「このままくたばってたまるか」のあたりはそれだけで泣きそうになりました。種田陽平っぽいセットだなーと思ったら本当に美術は種田さんだったりして、セットの位置関係や使い方も面白かったですね。そうそう、どうでもいいんですが、舞台であるところの架空の街、守加護にはジオブリの梅崎さんが似合うと思うんですよ。是非幻の殺し屋、デラ冨樫と対決して欲しいわん。あと市川崑が大物監督役でカメオ出演してまして、パンフレットによれば代表作は『ビルマの建物』『犬まみれの一族』とのこと⋯⋯くそうッ、いいセンスしてやがるじゃねえかッ(悔し涙)。

クルスク航空戦〈下〉史上最大の戦車戦―ベールゴロドとクルスクの間で 南部戦区 (独ソ戦車戦シリーズ)

クルスク航空戦〈下〉史上最大の戦車戦―ベールゴロドとクルスクの間で 南部戦区 (独ソ戦車戦シリーズ)