四畳半神話大系

 アニメが最終回で大団円でした。拍手拍手。原作を読んだので結末は知っておったのですが、でもラストシーンで思わず泣きそうに。森見登美彦さんのブログ、こちらこちらを拝見すると、本当にいいアニメ化だったのだなーと思います。DVDも買いますとも! 明石さんも描こう明石さん。

コンクラーベ 天使と悪魔』

 以前、馬頭さんがご紹介されていて興味を持ったので観てみました。なかなかの佳作で面白かったですよ。舞台は15世紀、主人公は若き日のロドリーゴ・ボルジア枢機卿……チェーザレの親父です。それだけでワクワクしてくるではないですか。コロンナ家とかオルシーニ家なんて言われると、もうですね! 話の筋にはほとんど関係なくジュリアーノ・デッラ・ローヴェレが登場するのもボルジア家ファンへのサービスとしか思えません。タイトル通り新教皇を選ぶコンクラーベを扱った史劇で、物語の半分以上は密室でむさ苦しい枢機卿たちが票読みや抱き込み工作に励む姿が描かれます。それが実に絵になるしかっこいい。兵士たちのアクションシーンもあって甲冑フェチにもたまらぬ仕様となっております。脚本には難がないわけではないし、低予算ではありますが丁寧なところは好感持てる映画でした。ルネサンス好きにはお勧めです。ちなみに「天使と悪魔」はどちらも出てきません。

『ロシアの旧秘密都市』(片桐俊浩)

 ユーラシア・ブックレットはよく買ってるのですが、この新刊は妙に周囲で大評判です。これが類友というやつか! さておき、大変興味深い本でした。著者の方は日本で唯一、世界でも数人という評判のロシア秘密都市に関する専門家だとか。特に驚いたのが、核兵器開発の拠点だった40年代後半のアルザマス16では日没後は外出するのがはばかられるほど治安が悪化していたというエピソード。囚人が都市建設に充てられていたためで、他の都市でも同様の事例があったようです。圧政という印象が強いスターリン時代、最先端の施設と科学者・技術者が集められた新都市、でも治安は最悪……なんというファンタジー(いやファンタジーじゃない)。ロシアというのはますますわかりません。面白い!

はるき悦巳短編全集 力道山がやって来た』(はるき悦巳

『日の出食堂の青春 新装版』(はるき悦巳

 短編全集はデビュー前の原稿(!)載っている一冊。低空飛行でダウナーな話もあるなか(いやそれも大変味わい深いのですよ)、「オッペラ甚太」が愉快です。『日の出食堂の青春』はボンクラ4人組の恋愛未満でひたすら非生産的な、鬱屈と鬱屈の物語。どちらもマスト読むべき本です。太鼓判のお勧めですよ。

コンクラーベ 天使と悪魔 [DVD]

コンクラーベ 天使と悪魔 [DVD]

ロシアの旧秘密都市 (ユーラシア・ブックレット)

ロシアの旧秘密都市 (ユーラシア・ブックレット)

日の出食堂の青春 新装版  (アクションコミックス)

日の出食堂の青春 新装版 (アクションコミックス)