- どうも忙しいと買い物が増える傾向があってよろしくないです。日記の間が開いているうちにいろいろ買い込みましたが、なかでも特に印象的だったものをちょっとだけ。
『イスラム飲酒紀行』(高野秀行)
休肝日はないと豪語する辺境作家、高野秀行氏がパキスタンやアフガニスタン、イランやシリアといった国々を取材した時の飲酒生活を綴ったもので、これがまたえらく面白かったのです。イスラームといえばとにかく禁酒というイメージが強いですが、飲む人は飲むし強烈な建前社会だし(公共が強いと高野氏は書いています)、言うまでもなく国によって事情も違うしそこには豊穣な酒文化があるのですよ。特にイランは太鼓から連綿と続く文化大国だけあって、一筋縄で行く社会ではない模様。単にイスラム原理主義がどうこう、では済まされませんね。大体、イスラーム社会全般において酒への禁忌が厳しくなったのはわりと最近のことのようですから。それにしても、シリア取材の章はここに出てくる人たちは今どうしているのか気になります。イスラームや旅行、そして言うまでもなく酒が好きな人にお勧め! そうか、ラキはメロンをアテにして呑むのかー。
『本へのとびら』(宮崎駿)
宮崎駿が岩波少年文庫と児童文学について語っている一冊。猛烈に岩波少年文庫が読みたくなります。あれだけ出てるわけで未読が多いですし、ああもう! 『たのしい川べ』や『くまのプーさん』などの挿絵についても相当言及されているのはお仕事ゆえですね。『たのしい川べ』の絵は本当にいいですよ! マスト観るべし! そして『第九軍団のワシ』を古代日本の東北に翻案した企画があったですと! それは観たい! とにかくこれを読んで、僕と同様に岩波少年文庫への飢えを体験してください。しろ。
『バトル・キングダム 宿命の戦士たち』
なんかすごいタイトルがついてますが11世紀のキエフ大公、ヤロスラフ賢公が主人公の映画です。キングダムじゃないよ。ロシア映画はポロッとDVDがリリースされるので油断も隙もないですね。肝心の中身は忙しくてまだ観てません……でもヤロスラフの映画ですよ?
『映画けいおん!』
観る前は「りっちゃん拝みに行こう」ぐらいだったのですが、いやいやいい映画でした。音楽はズルイなぁ! TVでもそうでしたが、ちょっとした所作が丁寧で、説得力のあるかわいさを感じるのです。山田尚子監督の女性ならではのこだわりでしょうか。地に足が着いているというか。早朝、旅行に出るところからヒースローに着くまでのくだりが大好きです。いよいよ出発という時の高揚、消灯された飛行機、皆が寝ているなかで目が覚めた時の不思議な感覚……旅行欲が大層刺激されまして、ああもうモスクワに行きたくてたまりません。とにかくこれで大晦日まで働けます。年明けには地元の映画館でも公開するそうなのでまた観に行こう、絶対行こう。
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