『ジェシー・ジェームズの暗殺』
アメリカ史に残るアウトロウ、ジェシー・ジェームズと、彼の配下でありながら暗殺の下手人となったロバート・フォードの物語。全編ギスギスしててステキです。ブラッド・ピット演じるところのジェシーが一体なにを考えているのか明示されないのが、余計に次の瞬間何が起こるのかわからない不安感を増幅させていました。そんな疑心暗鬼な連中が腰に銃ぶら下げてるんですから、ヤな世界じゃのう。
『風呂とペチカ ロシアの民衆文化』(リピンスカヤ)
「本書はロシア科学アカデミー民族学人類学研究所の『世界諸民族の風呂』シリーズの第一弾として刊行された」そうで、これは絶対面白いに違いないと思って買ったらこれがアタリ。素晴らしい。ロシアの風呂といえばサウナで白樺の枝葉で身体を叩き、池や雪に飛び込んで転がり回るというイメージです。勿論それも正しいのですが、自宅のペチカを蒸し風呂として使う文化があるとは知りませんでしたよ。あと、都市では近世以来公共浴場が多く存在していたことも知ってはいましたが、どのようなものかはイマイチ掴めていなかったのでそれも興味深かったです。それにしても、あの白樺の枝葉で身体を叩くというのは一体どんな気分なんでしょうね。大昔から現代まで廃れずに続いている風俗なので実際に気持ちいいんでしょうけど。
- 作者: V.A.リピンスカヤ,齋藤君子
- 出版社/メーカー: 群像社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (6件) を見る