「群像」4月号

 瀬川深さんの短篇が載っているというので買ってきました。文芸誌を買うのは久しぶりです。瀬川さんの「猫がラジオを聴いていたころ」は心地よいファンタジーと思わせて、「平凡であるかに見える日常は、実は変容し続けるのだ。迂闊に甘ったるい感傷に浸ろうとすれば、足下をすくわれる」というわけですくわれました。意地の悪いステキな短篇です。ところで、瀬川さんがソード&ソーサリーを書くとたいそう面白いんじゃないかと思うのです。数十カ国を旅したバックパッカーな人ですから、「靴底越しに世界を感じる」埃っぽくゴツゴツした冒険が見れそうな。

群像 2008年 04月号 [雑誌]

群像 2008年 04月号 [雑誌]