『孫文の義士団』
清朝末期の1906年、日本に亡命している孫文が蜂起計画を話しあうため、数時間だけ英領香港を訪問する。その間に暗殺を企む朝廷の暗殺団と、守ろうとする革命党の間で壮絶な戦いが……というお話。充分に楽しんできましたが、孫文を扱うとなるとちょっと真面目になってしまうのでしょうか、もうちょっと明朗快活なアクションものを予想しておりました。いやアクションは満載です。悲壮感や血潮や汗が濃厚なのもよろしい。でもなんだか生真面目なのですよね。
孫文を護衛する、一見素人な面々が決戦を前にどんどん隠された設定や人間関係を明らかにしてくところは、TRPGならプレイヤーが大喜びで演じているところでしょう。特にレオン・ライのいい気になりっぷりたるや、一人で世界法則をねじ曲げていると言っていいほどです。そうそう、革命党の活動家を演じるレオン・カーフェイが野上武志さんに酷似してまして、上映中ずーっと気になっておりました。香港のセットも素晴らしかったですよ。
しかし、近代の人物をネタにした伝奇はいいですね。日本も幕末までは珍しくないですが、近代になると映画になったのは帝都物語以外になにかありましたっけ。孫文に匹敵する大物がいないかな?
「仮面ライダーアマゾン」
河嶋宅で「迷宮キングダム」を遊んだあとに「四畳半神話大系」上映会としゃれ込みまして、そのあとなぜか「仮面ライダーアマゾン」の序盤9話ほどまでを観てきました。大昔に飛び飛びで観た程度で、1話からしっかり観たのははじめてかもしれません。いやーすごいですね。たしかにこれを観た子供は泣きそう。スタッフの新しいことをやろうとする意気込みに満ち満ちておりました。いまと作劇の方法論が違うせいもありますが、これぞエンターテイメントというサービスと思い切りに頭を殴られたようなショックがありまして、『ムトゥ』やミル・マスカラスの映画を観たときと同様に目から鱗がボロボロ落ちたといいます。いや待てアマゾンは視聴率が低迷したから打ち切られていたのだぞあまり参考にするな。それにしても、小学校で「理科室からカンガルーの標本を取ってきてくれる?」というセリフには腰を抜かしました。都会の小学校にはカンガルーの標本があるのか。倉庫に忍びこんでバナナを剥かずに食べるところなどポリティカルコレクトがどうこういわない時代を感じさせます。あとアマゾンはあまり喋らないのでナレーションが代弁するのですが、「ゲドンを許してはならないと思うアマゾンであった」てなところを「吉宗」に変えればえらく愉快になりますね。
『図説 ソ連の歴史』(下斗米伸夫)
『立山杉 高橋敬市写真集』(高橋敬市)
NHKで立山杉の番組をやっておりまして、その姿に度肝を抜かれました。恥ずかしながら、立山杉というものを知らなかったのです。屋久杉とも違う、雪と岩をものともせず堂々とそびえるその姿。素敵です。これはかっこいいです。いつかこの目で観に行かないとなぁ!
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