■ - MINITRUE

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q』

　公開直前は微妙にエヴァ気分が盛り上がらなかったのに、いざ観るとよっしゃエヴァだエヴァだ！　とテンションが上がるのはさすがです。アスカとマリのコンビおおあばれという僕にとってご褒美みたいな展開でホクホクでした。誰かダーティペアのコスプレしているアスカ＆マリを描いてくれませんかね（妄言）。
　そんなわけで僕は大好き全肯定なQですが、面白いかどうかというと躊躇します。全体が粗くて本来時間かけて作っているはずなのにどうしちゃったのという印象がありますね。話が一歩も進んでいないことは気にしないにしても、シンジの感情や動機がかなり唐突に描かれているので乗りきれません。特に槍を抜くあたりはそこまでなぜこだわるか、というのが伝わってこないので作劇上の都合というのが先に立って感じられて醒めてしまいました。ならば格好いい絵を見せてくれればよいものを、CGもろともどうにも粗い。一番盛り上がる戦闘シーンが冒頭というのは頂けません。ドカンとハッタリを効かせるのが本来得意技のはずなのに、それがこの体たらくでは……ううん納得いかぬ。旧劇場版ほどのキチガイじみて破綻した気迫があるわけでもなく、次回が随分不安になってまいりました。この不安もエヴァらしいといえばそうなんですが！　せっかくの二週目なのだからもっと丁寧な作品が観たかったことです。
　とはいえアスカ＆マリおおあばれで結構満足してるんですけどね。スピンオフで一本作ってくれませんかッ。

『007　スカイフォール』

　面白かった！　今回のボンドガールはMですねえ。いやはやダニエル・クレイグの007は油断がなりません。007の「いつもの冒険」でも誰も文句を言わないだろうに、そうしない辺り送り手は枯れてませんね。すごいぞ。しかもシリーズ全体への愛やリスペクトにあふれています。「今回のボンドはビールをがぶ飲みするらしい」と事前に報道されてブーブー文句をたれたものですが、いざ観てみると気にならない演出になっていて感心しきり。最初はどチンピラじみていたクレイグ・ボンド、作を重ねるたびに皆が知っているボンドに近づいていくという感があります。あえて未完成のボンド、次が否応なく楽しみですね。
　そうそう、スカイフォールで一番の萌えどころはアストン・マーチンがふっとばされて本気で頭にきていたボンドの表情です。あれはいい。実にいい。

『ホビット　思いがけない冒険』

　贅沢な3時間！　すみずみまで丁寧に作られた映画を観てしまうと、感想の書きようがありません。指輪を踏まえた作品なだけに、ピーター・ジャクソンのやりたい放題が加速している感があります。原作ファン以外お断り度が上がっているというか、LotRは「原作もの」だったのに対してこれは二次創作的というか……「イスタリ」なんて何の説明も無しに出てくるし。そしてホビット三部作なんですね。指輪と原作のスケールが全然違うのにどう膨らませるんでしょう。この調子でシルマリルまで映画化しても誰も文句言わないと思うですよ。ああ剣と魔法な漫画を描きたくなる！

『34歳無職さん』2巻（いけだたかし）

　どうということのない日常でも、丁寧に気を配って描けばドラマになるのです。「その16:時々シンクが磨かれる」「その21：冬の午睡」がお気に入り。そして「その24：出掛けになって着ていた一張羅に虫食いを見つける」に至る静かな盛り上がりと、ラストの後ろ姿！

『風雲児たち　幕末編』21巻（みなもと太郎）

　ついに桜田門外の変。全編に緊張感と凄みが満ちている巻でした。息を詰めて読みましたよ。僕の漫画で人死にが出ることを絵柄とのギャップが云々、という感想を拝見することがありますが、みなもと太郎さんの域までがんばりたいところです。

『ヴィンランド・サガ』12巻（幸村誠）

『100─HANDRED─ 高畠エナガ短編集 2 』（高畠エナガ）

『ニンジャスレイヤーネオサイタマ炎上 2』（ブラッドレー・ボンド　フィリップ・N・モーゼズ）

マイフェイバリットSF映画であるところの『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメが製作中という話を以前聞き及びまして（しかも同じダネリヤ監督）、それはどうなのかと不安に感じておりましたらついに予告編が出てきました。いや、これはどうしてなかなか！　ちゃんとキンザザしてるじゃないですか！　それでいてうまく舞台を現代にしている感じですよ。来年2月公開だそうです。疑ってすいませんでした。日本公開して欲しい！
渡辺謙が主役で製作中の『許されざる者』リメイク、こちらも予告が来てました。『硫黄島からの手紙』でイーストウッドと縁ができたおかげなんでしょうか。北海道ウエスタンですよ！　いまのところすこぶる面白そうです。はやく観たい！