『魔法少年マジョーリアン』3巻(石田敦子)
最終巻だったー。むむ、もちっと長く読みたかったですよ。
『寺社勢力の中世 無縁・有縁・移民』(伊藤正敏)
一般に日本史では幕府や朝廷の扱いは大きいが、経済・武装勢力としての寺社の存在は過小評価されてきた……というのが著者の立場。最近は藤木久志をはじめとして、中世のイメージを変えてくれる本が多くて面白いです。
『昭和天皇・マッカーサー会見』(豊下楢彦)
司史生さんの日記(9/6)で興味をそそられたので購入。単純な平和主義者ではなく、冷徹な為政者としての……そして戦後体制を能動的に築いた昭和天皇像が提唱されています。日本を一度破局に追い込んだ究極の責任者ですから名君とはとても言えませんが、しかしずば抜けて頭の切れるどえらい人物だったのは確かなわけで、興味は尽きませんねえ。まぁ、最近は昭和天皇の物まねをしても通じない人は増えてきたけどナ。
『わが夕張 わがエトロフ』(佐々木譲)
意外なことに、佐々木譲はじめてのエッセイ集。破綻した夕張市政への怒りを込めたルポや、ゴルバチョフ時代末期のエトロフ、バルト三国・東欧への旅行記が興味深いです。あと仕事場がある中標津の話も面白かったですよ。日常的に馬に乗れる暮らしというのは、確かにあこがれます。佐々木譲の小説は、爆発寸前の情熱を抑えに抑えて書いているような印象があって大好きなのですが、あまり冗談が飛び出すような話は少ない印象がありまして(作者のユーモアがうかがえる展開はよくあるのですけども)。しかしこれはエッセイ集ゆえか、映画オタク的ネタやジョークがちらほら散見できて、その辺も楽しいです。先日「佐々木譲のプッシュピン」をさかのぼってえんえん読んでしまいましたが、ブログではその辺がさらに強くなって愉快愉快。あえて理想化すれば、佐々木譲本人がへらず口が達者な冒険小説の主人公のように見えてきます。ところで『ベルリン飛行指令』三部作に出てくる磯田憲兵軍曹のモデルはガッツ石松でありましたか。もうちょっと細いイメージがありました……これはNHKのドラマの影響かな。
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