曇・夕立

  • 夏コミとコミティアでお付き合い頂いた皆さん、ありがとうございます。不義理をしてしまった皆さん、次こそは是非是非。夏コミは館内に靄がかかるほどの壮絶な気候でしたが、体感的には「並」といった感じでした。歳を食って鈍感になっただけかもしれません。一方でコミティアは文句なしに快適でしたよ。
  • うかうかしておりましたらすごい勢いで夏が過ぎていきます。季節感のない生活を送っているなあ、いかん、いけませんぞ。なにかしたい、せねば。
  • 大泉学園の駅前にある書店、英林堂さんが今月末で閉店だそうで、ショック大きいです。マンガやラノベから専門書まで、がんばっているいい本屋さんだったのですよ。経営者の高齢化と後継者の不在が理由ということで、誰か後を継ぐ人や企業はいないものでしょうか。超一等地ですよいかがですか。しかし大泉学園の書店事情、これで一気に悪くなるなあ。困りました……といっても英林堂さんを責めているわけではありません。まさかまさか! 本当に今までお世話になりました。ありがとうございます。

  • 観たい映画をリストアップしたら7本も!
  • なかでもノーチェックだったのが『タイピスト!』です。まあ何も言わず予告編をご覧ください。なんたる萌え映画! マスト行きますとも。『オーケストラ!』のスタッフだそうで、あれも面白い映画でした。

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(川上 和人)

 鳥は恐竜の子孫なのだから、その観点から類推できることは多い筈、と書かれた恐竜学へのラブレター。恐竜にかこつけて専門の鳥類についても多く書かれており、目ウロコなこと多し。鳥類学者だけあってフィールドワークが豊富で、その経験が生き物がひしめく中生代の描写に生きているのだと思います。古生物学者は地質学者といわれるそうで、生きているものを相手にしているわけではないですからね。あと文章が軽妙かつ愉快で(注釈を巻き込んでボケまくるその芸風は冒険企画局TRPGリプレイのようです)、他にも本を出してはるのかと思ったらこれがはじめての単著なのかー。今後も期待します。絵も素敵です。お勧め!

『謎の独立国家ソマリランド』(高野秀行

ソマリア全土を取材し、その氏族社会や人々をルポした力作。熱い。これまた目からウロコ落ちまくり。無法地帯と呼ばれるソマリアにも、実はちゃんとしたルールがあるのです。架空世界を考える上でも参考になりそうです。高野さんの本はあまりたくさん読んだわけではないですが、図抜けた印象がありますよ。ソマリアに行きたくなりました。ほらハルゲイサなら大丈夫そうだし。お勧め!

『折れた竜骨』(米澤穂信

 実は米澤穂信さんの本は初めてです。12世紀イングランドの孤島が舞台の魔法ミステリ。十字軍の時代だけど、そう、魔法があるのです。僕イチオシのサラセン人魔術師(外見ショタ)の出番が少なくて残念。ミステリで犯人を想像しながら読む、という習慣のない僕ですが、これは犯人が一発でわかりました。いやわかりやすいので威張れません。ところで幸村誠さんの絵で見たくなりましたよ。シリーズ化希望しないかなー。……なんてことを書いていたら『さよなら妖精』を勧められたので読んでみますとも。

『オオカミとヒツジ飼いのゲーム 大西洋船団HX 231の戦い』(こんぱすろーず)

 同人誌です。第二次大戦下、大西洋を横断する連合軍の輸送船団はUボートの脅威にさらされ続けていましたが、護衛側の優位が決定的になる転機となった1943年のHX231船団。その戦いを主に英軍側から解説した一冊です。血であがなった英軍の戦術は精緻のひとこと。天才が考えついたものではなく、実情に合わせて困難な制約のもとあっちを手当しこっちを工夫しと成長し、勝利をもぎ取ったその姿には凄みがあります。大戦後半の赤軍にも通じますね。ところで60隻ものフネを守る立場にある船団護衛指揮官のグレットン中佐は当時30歳ということで戦慄せざるをえないのですが、荒天の北大西洋を不眠不休で戦うにはこれぐらい若くないと保たないのかもしれません。通販もしていますよ、お勧め!

『ロシア・東欧デザイン』(ペン編集部)

『路上のミュージアム―モスクワのモニュメントが秘めた物語』

スタジオジブリ絵コンテ集19 風立ちぬ』(宮崎駿

『シリア―アサド政権の40年史』(国枝昌樹)

『ドイツ連邦戦車開発小史』(名城犬朗)

世界の傑作機 第二次大戦ミグ戦闘機』

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

謎の独立国家ソマリランド

謎の独立国家ソマリランド

ペンブックス21 ロシア・東欧デザイン (Pen BOOKS)

ペンブックス21 ロシア・東欧デザイン (Pen BOOKS)

路上のミュージアム―モスクワのモニュメントが秘めた物語

路上のミュージアム―モスクワのモニュメントが秘めた物語

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

ドイツ連邦戦車開発小史

ドイツ連邦戦車開発小史

ゲームラボ」9月号

 マイペース連載「ソ連邦です。問題ありません。」、今回のお題は「民族」。この隅から隅までややこしいテーマを例によって見開き2ページで解説するという暴挙に出ております。それだけにわかりやすければ嬉しいですよ。よろしく!

「スケールアヴィエーション」9月号

 「大砲とスタンプ」とのコラボ連載、帝国軍の駆逐オートジャイロ「フサリア」を描きました。見てね見てね。そしてこの号は「風立ちぬ」の特集号ということで、関連するメカでいっぱいです。なかでも白眉はフルスクラッチのトルメキア軍重コルベット(原作版ナウシカクシャナの兄が乗っていたもの)! 凄まじい迫力です。これだけのために買ってもいいですぞ。惚れますすごいです。

まんがタイムファミリー」10月号

 ふらふらエスピオナージュ4コマ「スパイの歩き方」は南洋バカンスの後編です。物語は大転回、ペルツォフカもコスプレいっぱいというにぎやかなお話。買ってねアンケート送ってね!

「モーニングtwo」10月号

 最近の「大砲とスタンプ」は作中がずっと冬ということで季節外れも甚だしいですが、ついにそれが頂点に達した話です。どう頂点なのかは是非お手にとってご覧ください。面白いですよー、よろしくよろしく!

サタスペホラー・リプレイ 悪夢の棲む島』

 TRPGサタスペ」のリプレイが出ます。イラストと、あとPCとして参加しました。なぜか怖い事件ばかりに遭遇する調査事務所「四畳半企画KK」の面子が四苦八苦するお話。粗暴な美形の三文判ビンタ、オカルトマニアの守田狐太郎、性別不明のゴス少年レオンハルト外宮という凸凹トリオが右往左往します。面白いので是非読んでね!

  • 8月30日、31日、9月1日と横浜で開催されるTRPGイベント「JGC2013」に今年も参加することになりました。冒険企画局さんと一緒にサタスペのDDなどをする予定です。是非お付き合いくださいな。
  • 9月6日(金)、新宿ロフトプラスワンで開催されますイベント、メガネっこ居酒屋「委員長」深夜の部にゲストとして参加することになりました。ここに集うようなメガネ猛者(ゲストも特濃!)の前では手も足も出ない予感しかせず、こてんぱんにされるのではないかと戦々恐々としております。ミリタリーとメガネというテーマで話すようですよ。そんなわけでご興味のある方、是非是非おいでくださいましね。