『ナポレオン 獅子の時代』9巻(長谷川哲也

『鉄腕ゲッツ行状記 ある盗賊騎士の回想録』(ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン)

『恐るべき空白 死のオーストラリア縦断』(アラン・ムーアヘッド

 ジュンク堂で購入したのだけど、「海外旅行・オセアニア」のコーナーに置いてあるのはいいのかそれで。

『パリの迷い方』(じゃん・ぽ〜る・西)

 評判のいいエッセイ漫画だったので買ってみたら大当たり。漫画の修行でパリに在住している作者の、日常感とカルチャーショックにあふれた一冊です。一見適当なタッチの絵で、実は相当地力がある人っぽいのも印象的。文化大国フランスだけあって、フランス語を学べる公的機関があるのはさすがですね。僕がモスクワで感じたことと共通するようなネタも多くて、でも多分パリの方が元祖なんだろうな。スーパーのシステムとか。旅行に出たくてムズムズしたくなる本。

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男』(エレナ・ジョリー)

 自伝とありますが、インタビューを再編集したものです。とはいえその内容は非常に詳細で、今までAK関連の書籍で紹介されたものとは段違い。第二次大戦中から、AKを開発するに至る時期は初耳の話ばかりで大変面白いです。あと、AKが採用された頃も階級自体は軍曹だったのねえ。少年時代にシベリアの流刑先から徒歩で(!)故郷に戻ったり、パスポート申請用紙を偽造する話なども驚きです。スターリン時代というのは恐怖政治と個人崇拝の時代だとよく言われますが、どうも国家の管理からボロボロ洩れていた人も結構いたのではないかという気がする昨今です。どえらい規模の弾圧があった一方で、国家建設のため熱に浮かされたような希望に満ちていた時代だったのも確かで、ひとことでは括ることのできない複雑な社会だったのでしょう。何度となく痛感することなのですが、あの国はとにかく広くて根本的に田舎なのです。日本人の尺度では想像できないことが多々あって本当に驚くことばかり。西沢コウさんや晴天さんにオススメ……しなくても多分買うてはるんじゃないかしらん。

鉄腕ゲッツ行状記―ある盗賊騎士の回想録

鉄腕ゲッツ行状記―ある盗賊騎士の回想録

恐るべき空白 (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

恐るべき空白 (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース)

パリの迷い方 (創美社コミックス)

パリの迷い方 (創美社コミックス)

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男 (朝日新書 106)

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男 (朝日新書 106)