- 被災された方々にお見舞い申しあげます。また救援に従事されている皆さんに応援を。
- 東日本大震災からもう一週間です。忘れないうちに、ウチ(東京都練馬区)がどんな状況だったのか備忘を兼ねて。
- 3月11日の14時46分は仮眠中で、最初の揺れでガバリと飛び起きました。阪神大震災のときはドカンと最初の縦揺れで目が覚めたものの、起き上がることすらできなかったのとはだいぶ趣が違います。ゆっくりした横揺れだったので、震源は遠いなとたかをくくっていたらどうも揺れが収まらない。どころかどんどん激しくなってきます。外からアパートをひっつかんで揺すぶっているようで、積んである本やDVDがどさどさ崩れ始めます。さすがにぞっとして窓を開けてじっとしていると(玄関へ向かうには本棚の前を通らねばいけないので)、やれ嬉しや揺れが収まってきました。部屋を見回すと足の踏み場もありません。描きかけの原稿も埋まってる!
- TVをNHKにすると(停電しない程度の震度だったのですね)、太平洋岸には大津波警報という見たことのないものが発令され、平野をドロドロと津波が襲う見たこともない映像が入ってきます。現実感がないまま実家へ無事だと一報。そんなことをしているとユッサユッサとまた揺れてくるではないですか、安普請老朽アパートに命を託すのも不安なので屋外へ避難しました。
- 外ではご近所さんたちが所在なさげにしています。隣のおばさんが「変な陽気だと思ったのよー。関東大震災の前も暑かったっていうでしょ」と言わはるのに曖昧な笑顔で応対。もういいかなと思って部屋に戻ると、編集さんから「仕事続けてください」とのメール。げに恐るべしは編集魂です。心強い。
- 実は原稿の〆切直前で、ウン時間単位の美しいスケジュールを組んでいたのです。そこへこの地震、えらいことです。机周りだけどうにか物をどけてペン入れに取りかかりますが、地震当日の金曜日から日曜にかけては四六時中余震で揺れているような感覚があって、作業がちっとも進みません。地震酔いなんてのもはじめて経験しました。振り返ってみれば面白いですが楽しくない!
- そんでもってどうにかこうにかギリギリのギリで仕上げることができて、呆然として今に至ります。
- 買い占めなどはさておき、計画停電や自粛ムード、僕の商売の範疇だと紙不足などは今後やや長く続くかもしれません。はっきりした終わりが来るわけでもないでしょう。東京ではまだイベント感もある気配ですが、そのうち慢性化したイライラが募ってくるはずです。できるだけ呑気に、ニチェヴォー精神で暮らそうと思います(マイペンライやメイファーズやチョーヨーイとほぼ同義)。そのうち歴史になるわけですから。命がかかっているような状況でも、呑気で立ち向かいたいところですよ。あとは寛容かなぁ。
- 格好付けてもどうしようもないので、いろいろ幸運をかみしめつつ仕事をします。被災地のためにできることは今のところ募金と、面白い原稿を描くことだけですし。練馬の空は睦前高田にも福島原発にも繋がっているのだ。あとベンガジにも。
- ああ災害躁な日記だなどうにも!
- 実家、洛西はそろそろ筍のシーズンではないですか。嗚呼!
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『ばら物語』3巻(滝沢聖峰)
16世紀ロンバルディア、マンテガッツァ侯国の侯子ロザリアと雇われ砲兵、黒ツンフトのマイスター・ローザがフランスと戦う話もいよいよ3巻。主人公(というか狂言回し)であるはずのドイツ傭兵、ルカの影がますます薄くなっていて心配です。それにひきかえ気障で計算高い色男、傭兵隊長カルッチの格好良さといったらあなた。戦場の見せ場は砲兵なのですが、両軍の重装騎兵が激突する見開きはルネサンス当時の戦場画を意識してそうで素敵でした。巻末の、絵柄と画材の変遷についての解説ページも興味深かったです。なるほど1巻のローザは怖い……。
『半端者』(東直己)
『アラーの神にもいわれはない』(アマドゥ・クルマ)
『Georgy Sviridov Concert recording』
その昔ソ連がまだあった頃、TVで世界のニュース番組が紹介されることがありまして(今でもありますが)、なかでもソ連の「ブレーミヤ」はインパクトがありました。中学生の頃には既にソ連に興味津々で、なんだこの垢抜けなくもかっこいいOPはと心踊らせていたものです。特にOPテーマの印象が強烈!
で、それから20年以上(嗚呼)、心の何処かでずっと気になっていたのですね。それが先日、ふとした拍子でスヴィリドフという人の「時よ、前進!」という曲だと知りました。おおお、これは強烈な! ソ連でよく知られている作曲家で、元は映画音楽だそうですね。早速検索したらCDも見つかったので購入しました。士気高揚音楽の定番に仲間入りだ。
Tale of Rose Knight―ばら物語〈Vol.3〉
- 作者: 滝沢聖峰
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: コミック
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半端者(はんぱもん)―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 東直己
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 10回
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- 作者: アマドゥクルマ,Ahmadou Kourouma,真島一郎
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 単行本
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- アーティスト: Sviridov,Vedernikov,Russian Phil Sym Orch
- 出版社/メーカー: Boheme
- 発売日: 2001/01/30
- メディア: CD
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「Role&Roll」Vol.78
地震のあおりで見本誌がなかなか届かなかったRole&Rollです。今回は「ピーカーブー」「シノビガミ」「ハンターズ・ムーン」、近日発売の「魔道書大戦RPG マギカロギア」などのサイコロ・フィクション・シリーズ特集! ああッ僕もなにか絵を描きたかった……ッ、いえ、いつものサタスペ原稿を入稿したのがあのタイミングだったので偉そうなことは言えません。そんなサタスペのお題は「路地裏」です。路地裏こそは現代の迷宮、ふだん街で見かけるものを利用したダンジョンを考えるのは楽しいですよ(自販機とか)。見てね見てね。
「MC☆あくしず」Vol.20
創刊当初は頭がおかしいと思われていた(今もそうかな)萌えミリ誌あくしずも、気がつけば5年目突入です。僕は今回から新連載「黒色火薬時代」を描いております。大雑把に昔の銃についていろいろご紹介していくつもりですよ。ミリタリーといえばWW2以降という空気がなんとなくあって、特に創刊当時はその空気が強かったのです。そのうちWW1記事が混ざり始めて「ああッ、俺がやりたかったのに!」と叫んだり。そんなこんなで、需要があるかどうかさっぱりわかりませんがよろしくお願いしますね。一回目はフリントロックマスケットについてですよ。
「Comicリュウ」05月号
今号から村山慶さんの「セントールの悩み」が連載開始でしたっけ。表紙もそうですよね、楽しみです。そして「靴ずれ戦線」はロシアが春を迎えるにあたって欠かせない、とあるイベントがお題です。いい話なんで、よろしく! 地震の前に描いたと思うと、なんだか不思議な気持ちがします。
- 作者: アークライト
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: 大型本
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MC ☆ あくしずVol.20 2011年 05月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2011/03/19
- メディア: 雑誌
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月刊 COMIC (コミック) リュウ 2011年 05月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/03/19
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