オトフリート・プロイスラー

 亡くなったのは少し前ですが、その作品にはとてもお世話になったのでお礼を書いておかねばならないのです。振り返ってみますと特に「おおどろぼうホッツェンプロッツ」の影響はすこぶる大きい気がします。ちょっとした仕草や小道具の印象深さ、どこか漂う湿った暗さ。嗅ぎタバコ、ナイフとこしょうピストル、ペトロジリウス・ツワッケルマンの塔と地下室、ソーセージとじゃがいも! もうちょっと大きくなってから読んだ不吉で土俗的なファンタジー『クラバート』も忘れるわけにはいきません。拙作「靴ずれ戦線」にはプロイスラーの遺伝子が混ざっているのです。お疲れ様でした。ありがとうございました。それはそうと、プロイスラーは第二次大戦の東部戦線に将校として従軍し、ソ連軍の捕虜になっているのですね。