■ - MINITRUE

間が開くと例によってここが長くなるのですが、とりあえず選り抜きでいくつか。

『BIRDY THE MIGHTY The Collection of Design Documents』（ゆうきまさみ）

　申し込んでいた限定本が届きました。「鉄腕バーディー」設定資料集です。キャラクターやメカ、街並みの設定、作画注意メモ、ストーリー案、各種ラクガキやラフなど大変に密度が濃く中身の詰まった一冊。ゆうきまさみさんは80年代SF設定文化の人なのだなあと痛感しました。こういうの大好物です。単に絵を並べるだけでなく、コメントが充実しているのも嬉しいですね。ゆうきさんの文章って魅力的です。漫画制作現場のバックステージを垣間見ることができる貴重な本。一般販売されないのは勿体無い！

『よつばと！』12巻（あずまきよひこ）

　道端の雑草、ちょっとした植木、石ころにまで愛が詰まっているような本です。世界は美しい。虎子大好きマンの僕にとって実に嬉しい巻でもありました。子供の相手が上手な大人たちのなかにあって、虎子だけは子供が苦手そうなのがとんでもなく萌えます。たまらん！　あと風香は相変わらずナチュラルにエロい……。

『東京物語』下巻（滝沢聖峰）

　太平洋戦争の東京で陸軍テストパイロットを務める主人公と、その新妻、彼らを取り巻く様々な人達。滝沢聖峰さんの漫画は油断がなりません。全編に緊張感が漂っていて、ぼんやり読むことを拒否します。すごい。戦争を背景にした新婚ものと思わせておいて、背景ではないのです。まったく！

『ヤマトタケル』1巻（安彦良和）

　安彦良和古代日本ものとして安定した面白さなのだけど、「理想化肌の主人公」「上昇志向で屈折した相方」の組み合わせはそろそろ一旦引っ込めた方がよろしくないかしらん。

『百舌谷さん逆上する』9巻（篠房六郎）

　複雑な構成を綺麗に見せていてポカンとするばかり。そのうえで、そろそろ最初から読み返した方が良さそう……。

『ニッケルオデオン　緑』（道満晴明）

『ヴォイニッチホテル』2巻（道満晴明）

　道満晴明さんの漫画は「ウワアこんな話描きたい、いや描けるはず」と思わせられるのでとても危険です。

『ベアゲルター』（沙村広明）

　無国籍女の子大暴れ漫画。でも、もっとはっちゃけてもいいのよ！

『それでも町は廻っている』11巻（石黒正数）

　むむ、時間軸がバラバラだったとは！　しかもウチの「靴ずれ戦線」とは違い、かなり綿密にイベントを設定している気配です。頭いい人なんだろうなあー。

『まかない君』（西川魯介）

　西川魯介さんの日記を拝見していると自炊の話が頻繁に出てきまして、どれもすこぶる美味しそうなのです。その結果がこの作品にも出ているのだろうなあ。にじみ出る優しさ。

『おてつきおちゃっぴい！』（西川魯介）

『事件記者トトコ！』1巻（丸山薫）

『Seed』（双三ヒロ）

『絶体絶命英雄』（今野隼史）

『アフガン侵攻　1979-1989』（ロドリク・プレースウェート）

　アフガン紛争をソ連視点で解説した一冊。政治局トップの判断から兵士個人の視点まで非常によくまとまっていて、今後の定番になるのではないでしょうか。本来侵攻する意志はなかったソ連指導部がアフガン侵攻を決意したのは「重大な政策ミスだったが非合理な決定ではなかった」という評価。どのレベルの担当者も胃が痛くなりそうです。あーアミンは大変な隣人だったのだなー。批判的なことも多々書かれているんですが、俄然ソ連に同情してしまいます。アフガン戦に興味のある方はマスト！

『千年王国の惨劇　ミュンスター再洗礼派王国目撃録』（ハインリヒ・グレシュベック）

『金日成』（徐大粛　林茂）

『中央アジア・クルグズスタン　旧ソ連新独立国家の建設と国民統合』（中西健）

『アニメミライ2013』

　文化庁が委託している若手アニメーター育成プロジェクト、それに参加した短編作品4本を観てきました。お目当ては吉成曜さんの「リトルウィッチアカデミア」で、予想に違わぬ楽しさかわいさで大満足！　BD欲しいなあ、これなら一般販売しても売れると思うのですけど。マッドハウス立川譲さんの「デスビリヤード」も事前情報無しだったのですがじっくり見せてくれて面白かったです。でも前座（前座だろうあれは）の二作がどうにもこうにも箸にも棒にもかからぬナニがアレで、ひさしぶりに金払って駄目なもの観ました。こういう感覚、嫌いではないです。一本目は事実上未完成なようなものなので論外として、二本目「アルヴ・レズル」がンもう台詞で全部説明するという教科書に載るような駄目脚本でギャグの域に達しており（誰か止める奴はいなかったのか）、この二作がピックアップされるようでは日本アニメ界先行きが相当アカンのではないかしら。吉成曜さんも若手というにはいささか……と思ったのだけど、なるほどスタッフが若いのですね。あと「アニメミライ」プロジェクトに客とお金を集めるため、という面もあるのかしらん。