『フランス軍入門 1940年、陸軍大国はなぜ敗れたのか』(田村尚也)
イカロス出版から、WW2のフランス軍について非常に良くまとまった本が出ます。「ドイツ軍とともにフランス軍のことも知らなければ近代の軍事を語ることはむずかしい。なのに、そのとっかかりになるような本が無い。ならば自分で書くしかない、と思ったのです」という、著者の田村さんの言葉が端的に内容を現しています。世間にドイツ軍ファンは多いですが、彼らも大戦序盤のライバルであるフランス軍の階級章すら知らないのが事実でしょう(いや僕もようわかってないのですが)。兵器、編成、ドクトリンが手際よく解説されていて、安心して読むことができます。しかし、戦前のフランスは軍を統括する組織が複雑きわまりないうえに、その組織自体が大統領令や政令でコロコロいじられるので大変なことになっていますね。田村さんも半ば投げ出しています。ともあれ、貴重でかつ充実した一冊なので買ってね買ってね。
で、今回この本の表紙と中のカラーイラストを描かせてもらいました。正確には、以前ミリタリークラシックスのフランス軍特集の際に描いたイラストの再使用です。僕の絵がちゃんとしたミリタリー解説書の表紙になるなんて、チト感慨がありますよ。小学生の僕が見たらどう思うかしら。そんなわけでヨロシクヨロシク!
- 作者: 田村尚也,速水螺旋人
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2008/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (4件) を見る