- 身内6人でぞろぞろと横浜焼酎委員会主催「第7回本格焼酎・泡盛横浜大選集」というイベントに行ってきました。横浜に。全国から集められた約400種類の焼酎をとにかく呑もうという趣旨。商談禁止、主催者も呑むという、まさに呑んべえによる呑んべえのための催しですよ。商業イベントじゃないですよ。デイリーポータルZに去年のレポートが載ってますが、今回もおおむねこんな感じでした。ステキ。
- 会場は横浜の大桟橋ホール。副都心線ができて渋谷まで直接出られるようになったため、横浜までも乗り換え1回で済みます。わあ便利。みなとみらい線の駅を降りると、同じ参加者と思われる人の列がゾロゾロ。これが全員呑んべえだと思うと、わけもなく嬉しくなります。会場前ではジョギングクラブの人々が大勢体操をしています。かたやジョギング、かたや（真っ昼間から）鯨飲馬食、まさに好対照の光景ですが、こちとら内蔵系アスリートだとわけのわからない自負心に胸を張って会場入りします。
- 開会式は15時からということで、我々が入ったのは14時半頃。しかし、すでに参加者がいっぱい詰めかけています。すごい熱気です。予約だけで1500人いたそうです。それにしても、みんなニコニコしているのがすごく印象的。酒が目の前にあると、なんであんなに嬉しそうな表情になるんだろうね！ 入口で「ウコンの力」を売っていたので、ぬかりなく摂取しますよ。
- さて、開会式が始まります。直接会場入りしてブースを構える蔵元さんたちが紹介されます。なぜかガンダムの連邦とジオン軍のコスプレがいます。そういえば、会場にはなぜか着ぐるみの西郷どんがいて大人気でした。粗相はするなとか、チェイサーを呑もうとか、クルマの運転厳禁などの諸注意が言い渡されます。警備員などがいるわけではなく、全部参加者のモラルとマナーに期待されるイベントです。悪意があればすぐに大混乱に陥りそうですが、こういうときの呑んべえの結束力は恐るべきものがあるのです。ホイッスルが鳴り、さあ17時まで呑み放題です。
- やー呑みましたよ。体調が万全ではないので、途中に休みなど入れたりして10杯ぐらいしか呑めなかったのが残念です。印象に残った酒をいくつか挙げてみますと……
- 「三浦」（神奈川）：ダイコンの焼酎。香りと、あと呑んだあとにダイコンおろしの気配が確かにします。ダイコンのほの辛さのおかげか呑み味爽やかで、かなり気に入ったかもしれません。買おうかな。変化球の原料を使った焼酎は他にも結構多くて、キャベツやジャガイモ、かぼちゃなどを呑んでみたのですがどれもクセが無さ過ぎて、変化球っぽさが無かったのがちょっと残念。この「三浦」はダイコンであることを主張しつつ酒としても旨いという、なかなかの佳作だと思います。
- 「CORCOR AGRICOLE（コルコル アグリコール）」（南大東島）：南大東島はサトウキビの島ということで、2005年に創業の新しい酒造所が作ったラム酒です。ホワイトラムでした。これは赤と緑がありまして、赤はサトウキビの搾りかすから作ったいわゆるラム酒、緑がサトウキビ100％ジュースから直接製造したアグリコールと呼ばれるもの。このアグリコールは……や、アグリコール呑む事自体がはじめてだったので比較は出来ないんですが、なんだかテキーラみたいな後味がありますよ？ 南大東島に行きたくなりました。
- 「三隈」（大分）：原料は酒粕。デイリーポータルZで「口の中に家とか藁のベッドがあるみたいな味である。縮尺なんてあったものではない」と評されて気になっていたので、レッツトライ。……香りにまずぶちのめされます。古びた農家を突っ込まれるような。味自体は普通なので、数をこなせば慣れるのではないかと思いますが。しかしチェイサーで水を飲んでも、同じグラスだから「三隈」臭がするのは閉口します。このあとは何を呑んでも普通に感じられるのがすさまじい。今回一番インパクトがあった酒でした。かような衝撃は皆に宣教しないと勿体ないので、同行の面子に勧めまくりました。皆の顔を見るのが実に楽しくて、わははは。
- ホテルの立食パーティーぐらいには充実していたつまみは、一瞬にして消え失せる始末。おそるべし。
- そんなこんなで閉会式。しかしそこは呑み助イベント、最後も乾杯で〆というステキな趣向でした。僕は水で乾杯しましたごめんなさい。
- 会場を出たあと、しばらく大桟橋でぼんやり風に吹かれました。ああ気持ちいい。このイベントで面白いのは、参加者が老若男女本当にマチマチな事でした。僕が普段体験するコミケやゲームのイベントなどでは、やはり趣味や世代に偏りがあります。しかし酒が好き、という一点のみで人を集めると、こうもバラエティに富むようになるのかと。しかもそこに妙な連帯感まで生まれる。さすがは数千年の歴史を持つ娯楽です。格が違います。
- その後は中華街でお茶呑んだりご飯食べたり。大変に充実した一日でありました。幸せ。
