- 去る1月15日の日曜日は、ジュンク堂池袋本店でサイン会でした。大勢の方に来て頂きまして本当に励みになりました。ありがとうございます! 差し入れもたくさん頂いたので当分おやつに不自由しません。当人はずっとサインして絵を描いてサインして絵を描いて、なのでイベント全体がどうだったのかさっぱりわからないのですが、あとで訊いてみたら随分盛況だったご様子。やれ嬉しや。イラストリクエストの一位はナージャでした。おめでとうおめでとう。
- 円城塔さんの芥川賞受賞はやれめでたや。しかも伊藤計劃さんによる未完の遺作『屍者の帝国』を引き継いで完成され、近日刊行とのことで心待ちにしておりますよ。
- チョイ前に「メタボリズムの未来都市展」に行ってきました。戦時中に端を発し、1960年代に隆盛を迎えた日本の建築運動です。新陳代謝という言葉を掲げたように、生物のように環境に合わせて進化・増殖する都市計画の思想でした。丹下健三の「東京計画1960」などを見ていると、その意気込みに度肝を抜かれます。高度経済成長期の熱気は、知識としては知っていてもそれなりに本気で、文字通り「日本列島改造」を試みていたのを目の当たりにすると実にまぶしいものですよ。これはいい企画でした。行って良かった。会場を出たあと、まず『アップルシード』を読み返したくなったのはご愛嬌ということで。
- これまたチョイ前に「清明上河図」のホンモノを拝むことができる! と意気揚々として出かけてみた「北京故宮博物院200選」、会場入りするのに80分、「清明上河図」を観るには240分(!)待ちということで心が折れて帰ってきました。あの絵は酸っぱい絵です。
- アニメもあまり観てないなー……ブラックロックシューターは轢かれたり潰されたり飛んだり跳ねたりが爽快だったのでまた観よう。ドラマは評判がいいので途中から観はじめた「カーネーション」がたしかに油断なりません。あと「孤独のグルメ」もすこぶる楽しくてお腹がすきます。原作の久住昌之さんと番組スタッフがいい関係を築けているようで、その雰囲気が伝わってきますね。松重豊も好きな役者だし。「清盛」もいまのところなかなか面白いじゃないですか。よかよか。
- 明日、5日に東京ビッグサイトで開催されるコミティア99に参加します。スペースは「ぬ02b」、ボストーク通信社です。折り本ですが新刊もあります。あとは冬コミの本と、『靴ずれ戦線』『大砲とスタンプ』の単行本も置く予定です。是非是非来てくださいね。
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『機龍警察』
『機龍警察・自爆条項』(月村了衛)
知人の間で評判が良かったので、遅ればせながら読んでみました。二足歩行兵器「機甲兵装」が普及し、治安が悪化した日本。警視庁に特別な機甲兵装「龍機兵」が装備された特殊グループ「特捜部」が設立され、テロや国際的な陰謀に立ち向かう……という物語。こう書くとパトレイバーを連想される方も多いと思いますが、はるかに血生臭く死者続出です。硬派な筋立てと、やたらに超人度&美形度高いかっこいい登場人物てんこ盛りの組み合わせでぐいぐい読ませてくれました。僕の好みからいえば、ちょっとかっこよすぎて面映くもあったけど……作者はアニメの脚本などをされていた方で、なるほど絵にしたら映えそうです。たとえば龍騎兵の搭乗員はへらず口をたたく歴戦の傭兵(白髪ロン毛)、クールだが内面は熱い元モスクワ警察の刑事、「死神」とあだ名される元テロリストのアイルランド人おねえさんといった塩梅。僕は優秀なのだけどこういった面々のなかでは凡人感強いキャリア警察官僚、宮近理事官がお気に入りです。がんばれ! イケダさんはこのシリーズ、きっと大好きだと思うよ。
『都市と都市』(チャイナ・ミエヴィル)
東欧、バルカン半島にある都市国家べジェルとウル・コーマ。このふたつの都市はほぼ同じ場所にあってモザイク状に入り組んだ国境を持ち、住人は互いを「見ない」ようにして生活していた。ある殺人事件の捜査に乗り出したべジェルの刑事は……。いや、すこぶる面白かったです。カフカ的異世界と評されていますが、たしかにそんな感じの変てこ世界。東欧やトルコを思わせる街の風景も大変魅力的でした。『都市と都市』オフとかやってみたいなぁ……いや、参加者は集まりながらも互いを見ないようにする変なイベントになりますが。ミエヴィルは僕よりひとつ年下で同世代なのですよね。ああくそうクヤシイー。お勧め!
『宇宙人ポール』
イギリスのSF作家とイラストレーターのコンビがアメリカはサンディエゴのコミコン(というコミック・SF・ファンタジーの巨大イベントがあるのです)に参加し、ついでに各地のUFO名所をめぐろうとキャンピングカーで繰り出したらホントに宇宙人と出くわしてしまい……という映画。やたらに面白かったです。主演・脚本が『ホット・ファズ』のコンビで実にオタクへの愛にあふれた作品。小ネタ多数。あとイギリス人だからアメリカへの視点もちょっと意地悪いし。仲のいい友人と特に目的地を決めず、旅に出たくなりますね。これはオススメです。是非に是非に。
『ブリューゲルの動く絵』
ブリューゲルの絵を舞台に、当時のフランドルとキリストの受難劇が渾然となった物語。原題は「石臼と十字架」となっておりまして、この方が正しいけどこれでは客は入らないよなあ。予想した中身とはやや違ったものの、いい絵を見せてくれたので満足です。監督はボッスの絵をモチーフにした映画も撮っているそうで、なにそれ観たいですよ。
『帝国・身分・学校』(橋本伸也)
『イスラームと科学』(パルヴェーズ・フッドボーイ)
『僕の魔剣が、うるさい件について』(宮澤伊織)
『KABA2』(大友克洋)
「大砲の街」の絵が沢山入っているのが眼福!
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- 『靴ずれ戦線』1巻と『大砲とスタンプ』1巻、大変な品薄が続いていまして随分ご迷惑をおかけしましたが、もう増刷も出回っていることと思います。よろしくお願いします! 特に『大砲とスタンプ』はちょっと豪儀な部数を出してくれましたので状況は随分改善されるのではないかと。これで余りまくったらちょっと編集さんに顔向けできないので是非にお買い上げ下さいね。面白いよ! ……と思ったら先日池袋で探してみたら全然見つからなくてですね。あああ。
- この増刷に際し、『靴ずれ戦線』で大変なミスが判明しました。ナージャの姓が「ノルシュテイナ」となっておりますが「ノルシュテイン」が正しいです。二刷からは訂正してありますので、初刷をお持ちの方はペンか何かで直しておいていただけますと……ううお恥ずかしい。
- 冬コミの新刊『PANDAGRAPH 04 タブロイド』の書店委託も先月から行なっています。詳しくはこちらをご覧くださいませ。