春なのーにー

 ロシア連邦はただちにウクライナへの侵略戦争を止めて兵を引くべきであり、プーチンは大統領の座から追われなければなりません。

 ロシアのウクライナ侵攻からそろそろひと月になろうとしており、ようやく逆上がおさまってきました。本当か? 正直、まだまだ浮足立っています。
 落ち着くってなんでしょうね。美味いもの食べて面白いもの読んだり見たりして友人と酒を呑んでいる間もハリコフやマリウポリがどんどん瓦礫と化し、ウクライナの人々が傷つき故郷を捨てて逃げているのです。両軍の車両が吹っ飛ぶ動画は、あの瞬間人が死んでいるのだね(それを観ている自分も嫌になります)。しかしこれもまた勝手な話で、シリアやイエメンやミャンマーでは今までも多くの人が苦しんできたのですよ。
 なーにをいまさらおっさんがナイーブなことを。まあ、でも、なんだ。

 ロシア……というか「あの辺」に興味を持って35年。いま起きている状況とどう向き合うべきか、まださっぱりわかりません。「自分の知っているロシアが壊れていく」と表現された研究者の方がおられます。僕の場合は「なるほどこれもロシアか。驚かされるばかりだ」という悲しみですかね。
 プーチンソ連・ロシアの人々や文化のなかから生まれてきたもので、切り離すことはできますまい。彼のやってきたことはここ20年間基本的には変わっておらず、それはわかっていた筈なのですがキャラ扱いして楽しんでいなかったかといえば僕もそんなことはありません。悔やむことです。
 ウクライナ支援の寄付は続けます。集会があれば引き続き行きたい。ロシアの政治的被迫害者を支援する窓口もあるのでそちらにも寄付しました。それで満足なのか、それ以上何かできると思うことがそもそも僭越ではないのか。
 SNSではリアルタイムの戦況からロシアやウクライナをはじめとする国際的な状況までおもしろネタや根拠の薄い推測に満ちています。かんたんに自分の知っている物語に落とし込んで納得せず、しかし状況にただ流されないためには常に暫定的な答えを出し続けねばならず。ドグマに陥らず日和見にもならず、まして安っぽいニヒリズムにも落ちぬよう……難しいものです。

 迷うばかりではありますが、森薫さんの原画展「大乙嫁語り展」に行ってきまして。えらいものでした。上手すぎて参考になるまい、と見る前からわかっていたつもりでしたが、いざ現物を見るとたしかに人が描いている。地べたから雲を越えてはるかに仰ぎ見るヒマラヤの如くではありますが、地続きなのは間違いない。単行本などでは飄々としたキャラを見せる森薫さん、実際はとてつもなくご自分に厳しい方なのではないかしら。会場を出たときには警策を一発頂いたような心持ちでした。ウクライナやロシアに向き合うとは、自分のやれることに向き合うことでもあります。まだまだこれから長いのだから。

 お知らせですよ。
 孤高の萌えミリ誌「MC☆あくしず」、最新号発売中です。このタイミングでウクライナ情勢に関する記事がいろいろ入っているのがすごい……大河ロシア史連載「ロージナ年代記」も今回は特別編です。ウクライナの歴史でシンボルとして扱われているコサックの解説です。よろしく!

www.ikaros.jp



 お知らせもうひとつ。
 大阪、梅田のラテラルでやらせてもらいますトークイベント「男爵にふさわしい実行委員実行する」、21日(月・祝)が近づいてきました。「大砲とスタンプ」「男爵にふさわしい銀河旅行」「ワルプルギス実行委員実行する」についていろいろお話する予定です。お相手は漫画の話なら安心の蝉丸Pにお願いしました。配信もありますので遠くの方も御覧ください。質問にもできるだけお答えしますので考えておいてくださいね! 配信でも質問できますよ。

lateral-osaka.com



 ラクガキ置き場、少しずつ絵を置いていってますのでよろしくねー。

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