晴れ

  • ロシア旅行10日目。
  • まずはモスクワの南に広がるコロメンスコエ公園へ。このおそろしく広大な公園はもともと皇帝の別荘があったところで、古い建築がいくつも保存されています。他の地域から移築してきたものも多く、見どころ十分。
  • 17世紀にはアレクセイ・ミハイロヴィチ帝が巨大木造宮殿を建て(現存しません。ただ模型を見るとそれはもううっとりする木造複合構造物です。大好き!)、その一部を再現した博物館があるというので大喜びで行ってみました。
  • 再現された宮殿は、ううーん。テーマパークに通じる微妙な安っぽさがぬぐえません。特に中がいけない。それなりの努力は認めますが、コンクリート天守閣に登った時のがっかり感と同じです。これなら毎日のように大勢の人が歩きまわるため早くも年季の入った風合いを感じるヴェルニサージュのクレムリンの方がずっとマシだなあ。
  • とはいえ来てみないとずっと気になっていただろうし、外観は想像の助けになるぐらいの出来にはなっています(褒めてます)。後悔なし!
  • 当たり前だけど、小さいとはいえ公園内にある本物のほうがずっと印象的ですね。特に木造の砦や聖堂が興味深かったです。それにしても歩いた歩いた……(疲弊)。
  • 夜には石島さんと連れ立って昨日教えてもらったオタクショップへ。
  • 正規翻訳と海賊版両方の漫画やDVD、フィギュア、コスプレ衣装や小道具、各種グッズ、雑誌などがぎっしりと並べられています。このショップが許諾を得て出版している漫画もあるとのこと。一方で海賊版のグッズも作っています。
  • ちょっと山っ気を感じる店主がモスクワのオタクやショップ事情について腹蔵なく語ってくれました。今まで会ったことのある関係者はどちらかといえば理想家肌の人が多かったので、こういうアクの強いタイプははじめてです。
  • 「開店当初は大人の男性客が多いと予想して商品を選んでいたが(アダルトフィギュアを風俗店やストリップ店がインテリアとして買って行ったりしたそうな)、実際やってみると10代からの若い女性客が9割。BLが大人気なので、正規翻訳して売っている。韓国の漫画の正規版も取り扱いを始めた」
  • 「一般の漫画はウェブでの違法翻訳と競合していない(意外でした。規模の小さなロシア特有の事情かもしれません)。ただBLやアダルト作品はウェブにあるともう売れない」
  • 「正規品だけを扱おうとしたショップもあるが、そういうのはみんな潰れてしまった」
  • コスプレ衣装はほぼ全てが中国製。中国で出された海賊版画集なども見かけました。
  • 非常に丁寧な内容のアニメ誌がありましたが、やはり2010年に潰れていました。そのかわりコスプレ関連の雑誌が複数出ています。モスクワでは毎週のようにちょっとしたコスプレイベントが開かれていてとても盛ん。フライヤーも置いていました。
  • ロシア人作家は一部を除いて売れないとのこと。育成ということはあまり考えてないご様子。
  • 面白かったのが、上映会やカラオケ大会、マンガ教室などをひと月にわたって行うオタク合宿を主催しているという話。ピオネール・キャンプの伝統なのかしらん。
  • 今回のモスクワ旅行ではロシアのオタク事情やトレンドの移り変わりをちょっと感じることができたので、そこも収穫でした。僕が知ったところで何をするわけでもないのだけど!
  • 明日には帰国ですよ。わあん。
  • 今日の写真はあとでアップしますね。実はこれ書いてるの帰国当日の朝なんで……。
  • てなわけでこちらからどうぞ。