晴れときどき雨

  • ロシア旅8日目。日焼けした皮がむけてきてみっともない状態になりつつ。
  • 今日はまずヴィクトル・ヴァスネツォフの家博物館へ。19世紀から20世紀にかけて歴史画や宗教画、民話伝承をモチーフにした作品を描いた画家です。伝統的な意匠の再評価や再生につとめた人物で、当時のロシア文化サークルで中心的な立場にいました。
  • 絵はこんなの。すこぶるかっこいいのです。「靴ずれ戦線」を描くときもどこか意識せざるを得ません。
  • 彼が暮らした家がそのまま博物館として使われており、彼自らが伝統を意識して設計した建築や調度もすこぶる素晴らしいものでした。アトリエなどでは作品がこれでもかと展示してあっていやはや唖然呆然の眼福。ボケーとしばらく見入ったり。マスト行くべしですぞ!
  • 次にモスクワの巨大電気街ガルブーシカへ移動。お目当てはここにあるオタクショップ。何度か来たことがあるので今回も挨拶しておかねば。
  • ……と思ったら無くなっています。ロシアのアニメ誌やアニメDVD(海賊版ではなく正規に作られたロシア版です)が置かれた、小奇麗な気合の入ったところだったのに。
  • 歩きまわってようやく小さなブースをひとつだけ発見。海賊版アニメDVDがたくさん置いてありましたが、とても興味深かったのは海賊版としての作りも雑になってきていること。以前はラベル等をそれっぽく仕上げていたのに、今では手作り感いっぱいです。
  • 聞けばロシアのオタクたちは完全にウェブへ移行し、雑誌ももう発行されてないとのこと。そういえば正規のDVDも見かけませんでした。どうもトレンドが変わってきている印象があります。店番のおねえさんに聞いただけなので、結論を出すにはもうちょっといろいろ歩きまわってみねばなりませんが。
  • 外国雑誌コーナーにニュータイプがあったりはしたけれど。
  • あとは書店でまたもやいろいろ買い込んだり。書店は文具コーナーがあるところが多く、こちらもおみやげ物色に最適です。
  • 日本のマンガも沢山置いてありました。こちらはアニメと違って正規の翻訳が人気です。はじめてロシアに来た頃はオタクショップに行かないと無かったのに、今では街なかの書店でも見かける浸透ぶり。
  • 浅草に相当するような観光スポット、アルバート街をわざわざ訪問。以前来た時に買った、土産物のざっくりしたキャンバス製ショルダーバッグがすこぶる気に入っていたので新品が欲しかったのです。そしたら無印良品で売ってそうな普通のカバンばかりになっていてションボリ。
  • 夕方からは朝日新聞モスクワ支局の関根さんとオフ会。すこぶる美味しい中華料理屋に連れて行ってもらったり。関根さんはロシアからの情報を伝えるのにとても熱心な方で、Twitterでもよく発信されています。興味深い話をいろいろお聞きすることができました。
  • 二次会ということでお好み焼き屋「オコノミー」へ。店主の在間さん(在モスクワ15年!)とご友人ウジハラさんを交えていろいろ雑談。共通の知人がいることがわかってロシア人脈の狭さを再確認したり、なぜかナウシカ王立宇宙軍の話で盛り上がったり。
  • 在間さんはオタクとの交流に熱心な方で、店は彼らのちょっとした集まりの場にもなっているそうでした。ガルブーシカのオタクショップが衰退する一方で、若い世代によるコスプレやJ-POPイベントは非常に盛んとのこと。しかし彼らは意外に日本自体には興味が薄かったりもするそうで、どう両国の文化やファンを橋渡ししていくかという話になりました。
  • こちらのアニメ誌はその辺の記事もがんばっていたので、無くなってしまったのは惜しいなあ。
  • 皆さん面白い方ぞろいで堪能堪能。勉強になりました。こういうご縁は大切にしたいな。
  • 今日の写真はこちらからどうぞ。