世界忍者戦ジライヤ

 数話ほど観る機会がありまして、先日「仮面ライダーアマゾン」でひっくり返ったばかりなのに、いやいやバブル時代88年もやるではないですか。フクロウ男爵が白馬にまたがって出てくる絵だけで顎が外れます。あとロケットマンはどうなんだあれ。ベトナム戦争では普通の風体だったので、戦場で心を病んであんな格好に……と思うとバットマンヴィランっぽくてすごく格好良く思えてきました。全般的に「シノビガミ」はまだまだおとなしい、これぐらいがんばらねば! とポジティブな気分になりましたよ。

ヒトラーの最期 ソ連軍女性通訳の回想』(エレーナ・ルジェフスカヤ)

 得難い本でした。著者はソ連軍のドイツ語通訳として41年から従軍、ベルリン戦にも参加し、その後ヒトラーの遺体の法医学鑑定にも関わるという数奇な体験の持ち主です。そのような人物が戦後作家になり、ソ連時代から公文書の調査を進めていたというのも運命とは面白いもの。前線の兵士や占領地の住民たち、ドイツ軍捕虜や押収した手紙に文書、ドイツに囚われていたフランス人やイタリア人たち(プリモ・レーヴィ『休戦』を思い出します)……ルジェフスカヤは従軍中に克明な日記やメモを残しており(ソ連軍では禁じられていて、これは随分珍しい行為だったようです)、それを元にした細かい描写が印象的です。
 二ヶ月半という短期間で通訳を育成したことや、スイス人の講師、彼が作った「ドイツ語罵詈辞典」、卒業のときにゲーテを引用しドイツ語を愛するよう語ったこと。包囲化のドイツ軍に空中投下された物資に新刊の予約案内がある不条理。「遥かなティッペラリー」をイギリス人捕虜と合唱したこと。「私は男たちの中で一人きりだった。彼らも私と一緒では気まずかった。女性のいるところでは卑猥な罵り言葉を使えなかった。それがないと、彼らは話ができないの」
 自殺したヒトラーの遺体鑑定を、ソ連はごく秘密裏に進めます。ソ連軍の指揮官であるジューコフにすら知らされず遺体の写真撮影も禁じられ、ごく少ないチームがスターリンにのみ責任を負う調査。遺体鑑定に決定的な役割を果たしたドイツの歯科助手はその後シベリアの収容所に送られており、著者はこのような調査を強い筆致で批判しています。
 歴史に関与するということはどういう事か、アレクシエーヴィチの著作も併せてマスト読むべき一冊でしょう。素晴らしい。

『パンティ&ストッキング with Garterbelt』(TAGRO

マクロス・ザ・ライド』上(小太刀右京

シュヴァルツェスマーケン 1 神亡き屍戚の大地に』(内田弘樹

SFマガジン」8月号

『アフガン』

ヒトラーの最期 ─ ソ連軍女性通訳の回想

ヒトラーの最期 ─ ソ連軍女性通訳の回想

マクロス・ザ・ライド〈上〉 (DENGEKI HOBBY BOOKS)

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S-Fマガジン 2011年 08月号 [雑誌]

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アフガン [DVD]

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