『英国王のスピーチ』

 重度の吃音に悩まされていた英国王ジョージ6世の物語。吃音矯正士ローグ、厳格な父ジョージ5世や不倫で退位する兄エドワード、そして家族たちとの交流が描かれます。とても丁寧で素敵な映画でした。ジョージ6世は気が短いところはあるにせよ、真面目で責任感が強く、自分に自信が持てない人物として表現されています。その彼がFUCKとか悪態をつきまくるシーンがありまして……これ、日本公開にあたって英国大使館が後援してるのですよね。基本誠実な描き方とはいえ、王族をあけすけに見せている作品にお墨付きを与えるイギリス政府というのはなかなかの度量です。どこかの宮内庁は爪の垢でも煎じて呑むべき。あとエドワー8世の扱いが結構酷かったのは仕方ないところでしょうか。シンプソン夫人はなかなか似ていたと思います。幼い頃のエリザベス2世も出てきまして、おばあちゃんはこの映画を観てどのような感想を持ったのでしょうね(観ていると確信しております)。英語がもっと堪能ならローグのオーストラリア訛りなどを楽しめたろうになぁ。あ、ジョージ6世徳川家光でローグが柳生宗矩だと言い放った颯田さんおそるべし。ぜひそのネタで同人誌を出していただきたい。

『エンジェル ウォーズ』

 『サッカーパンチ』こと『エンジェル・ウォーズ』です。なんといっても悪役のブルーがかっこいい。ずっと応援しながら観ていました。特に二度目に楽屋へ来たときは輝きっぷりたるやあなた(あとエンドロールでも輝いてます)。有能なゲスという悪役は抽象的な野望を持たないぶん、地に足の着いた苦労人的なところがあってすこぶる魅力的ですね。女の子たちではロケットが好みです。ええ金髪ショート好きです。それにしても、片膝ついて着地する(そして地面にヒビが入る)「草薙素子のポーズ」はすっかり海を渡って定着した感がありますね……。

『恋文の技術』(森見登美彦

 京都大学の大学院から、能登の人里離れた実験所へ飛ばされた主人公が、知人たちに手紙を書きまくる書簡体小説。わかりやすく誰かと文通がしたくなりました。メールではなく。僕はかつて文通少年だったのですよ。

『権力の館を歩く』(御厨貴

 政治家の邸宅や官公庁、政党本部など建築物からその住人や組織の精神を分析してゆくという一冊。政治家のオーラルヒストリー取材で知られている著者ならではの切り口です。たとえば部屋、と言っても会議室なのか応接間なのか茶室なのかでありようが変わってくるのですね。とても興味深かったです。それにしても「普請道楽」「庭道楽」というのはいいなぁ。僕も道楽したいなぁ。

『図説 英国メイドの日常』(村上リコ

 森薫さんと『エマ・ヴィクトリアンガイド』を出された著者の単著です。めくってもめくってもメイドさんばかり(頭の悪い感想)! 19世紀末から20世紀初頭のメイドさんもピンク色のお仕着せがあったり、ハロッズのメイド服カタログがいま見ても素敵だったり充実の一冊。メイドさん描きたくなってきました。

世界の傑作機 ラヴォチキン戦闘機』

『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』(ゲイル・キャリガー)

『文藝別冊 吾妻ひでお 』

まんがタイムきららMAX」6月号

 「アキタランド・ゴシック」正式連載開始おめでとうございます! 線や表情が前にも増して素敵にというか、アクセルかかってきた感がありますね。

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

権力の館を歩く

権力の館を歩く

図説 英国メイドの日常 (ふくろうの本/世界の文化)

図説 英国メイドの日常 (ふくろうの本/世界の文化)

ラヴォチキン戦闘機 (世界の傑作機 NO. 143)

ラヴォチキン戦闘機 (世界の傑作機 NO. 143)

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)

まんがタイムきららMAX 2010年 06月号 [雑誌]

まんがタイムきららMAX 2010年 06月号 [雑誌]