WORLD WAR Z』(マックス・ブルックス

 人類文明を破滅の淵に追い込んだ「ゾンビ戦争」から10年が経ち、戦争で人々はなにを体験したのかをフェイクドキュメンタリーとして書き上げた一冊。最初は重苦しくじわじわと展開し、突如ゾンビパンデミックが起こる怒涛の展開。兵士が、政治家が、医師が、ペテン師が、世界各国で絶望的な状況と戦います。そして人類がついに勝利を収めても、世界は決して元通りになってめでたしとはなりません。いやぁ面白かった! ゾンビものに疎い僕がここまで楽しく読めたので、ゾンビ好きの方はマスト読むべきではないでしょうか。そもそも僕の周囲では読んでいる人がえらく多くて、とんでもないベストセラーと錯覚するのですが。政治家のモデルがわかりやすくてニヤニヤします。あと日本の場面は突如ボンクラ度が急上昇してこれも愉快。解説にもありましたが『復活の日』や『トリフィド時代』のように破滅SFとして読むこともできます。破滅もの大好きなので、その視点でも興味深かったことでした。

WORLD WAR Z

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