買ったり観たり読んだり

『コクリコ坂から』 1963年、東京オリンピック前年の横浜を舞台にした淡いロマンス。たいへん面白かったです! 主人公、海ちゃんの細やかな仕草や動きがかわゆうございました。宮崎吾朗監督ということで躊躇されている方は是非是非劇場で観ることをお勧めし…

「輪るピングドラム」面白いですねー! いや正確には面白いというより「ナニゴトだこれは」という感じで楽しいです。ばんばん翻弄していただきたい。あと「アイドルマスター」観てます。アイマスはほぼ知らないといって過言ではありませんで、そんななかで美…

「世界忍者戦ジライヤ」 数話ほど観る機会がありまして、先日「仮面ライダーアマゾン」でひっくり返ったばかりなのに、いやいやバブル時代88年もやるではないですか。フクロウ男爵が白馬にまたがって出てくる絵だけで顎が外れます。あとロケットマンはどうな…

『レッド・バロン』 第一次大戦ドイツの伝説的なエース、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの戦いを描いた映画。史実と違う点について重箱の隅つつきをする気はないのだけど(映画ですからね)、場面や人物の描写がいささか唐突で大河ドラマの総集編を…

『月給「百円」サラリーマン』(岩瀬彰) 昭和初期はホワイトカラーがエリートでもなんでもない、普通の都市生活者として定着した時代です。そんな彼らの衣食住を地に足の着いた視点で丹念に解説した一冊。たいへん面白かったです。現代の物価は当時と比べて…

『孫文の義士団』 清朝末期の1906年、日本に亡命している孫文が蜂起計画を話しあうため、数時間だけ英領香港を訪問する。その間に暗殺を企む朝廷の暗殺団と、守ろうとする革命党の間で壮絶な戦いが……というお話。充分に楽しんできましたが、孫文を扱うとなる…

『英国王のスピーチ』 重度の吃音に悩まされていた英国王ジョージ6世の物語。吃音矯正士ローグ、厳格な父ジョージ5世や不倫で退位する兄エドワード、そして家族たちとの交流が描かれます。とても丁寧で素敵な映画でした。ジョージ6世は気が短いところはある…

『イリュージョニスト』 『ベルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメ監督最新作です。喜び勇んで観てまいりました。1959年のパリから始まり、初老の手品師とスコットランドのど田舎から出てきた女の子アリス、この二人の妙な同居生活を描いたお話。前作…

『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(ジュノ・ディアス) 『アレクサンドリア』 末期ローマ帝国のアレクサンドリアが舞台の史劇です。原題は『AGORA』。地動説や天動説を研究する実在の女性哲学者・天文学者ヒュパティアを主人公に、熱血漢のローマ貴族、…

『ばら物語』3巻(滝沢聖峰) 16世紀ロンバルディア、マンテガッツァ侯国の侯子ロザリアと雇われ砲兵、黒ツンフトのマイスター・ローザがフランスと戦う話もいよいよ3巻。主人公(というか狂言回し)であるはずのドイツ傭兵、ルカの影がますます薄くなってい…

『有頂天家族』(森見登美彦) 京都という街には人間のほかに天狗と狸も暮らしているのです。「天狗は狸に説教を垂れ、狸は人間を化かし、人間は天狗を畏れ敬う。天狗は人間を拐かし、人間は狸を鍋にして、狸は天狗を罠にかける。そうやってぐるぐる車輪は廻…

間が空くといろいろ買い込んでいるので、そのうちからごく一部をば。 『美女と竹林』(森見登美彦) 森見さんの竹林に関するエッセイというか妄言集。僕の出身地である京都府長岡京市も竹で知られているところでして、筍の収穫に特化された竹林は徹底的に手…

『キック・アス』 ヒーローに憧れて日常を逸脱してしまう人たちの物語。さわやかエンターテイメントに見せかけた狂気のお話で、すこぶる面白かったです。原作はもっと陰惨でキジルシな話だそうですね(そのうえで、映画化するなら正解のアレンジだそうで)。…

『ロビン・フッド』 話はなんとも凡庸でした。とはいえリドリー・スコットならではの湿り気のある風景、たくさんの騎士、そして実に素晴らしい旗! 旗! 旗! マント! ……が観れたので映画代の元は取れましたよ。リドスコってひるがえる旗やマントによほどの…

「レバノン」 ベルリン映画祭で金熊賞を受賞したイスラエル映画です。82年のイスラエル軍によるレバノン侵攻を舞台とし、全編カメラは戦車の中から出ないという構成。これ、ひょっとしてもとは舞台だったのではなかろうかという作りでした。周囲の状況がわか…

『よつばと!』10巻(あずまきよひこ) 『秘身譚 ウィータ・アルカーナ』(伊藤真美) 『ききみみ図鑑』(宮田紘次) 『あたらしい朝』2巻(黒田硫黄) 『ヴォイニッチホテル』1巻(道満晴明) 実はあまり漫画買わない方なのですが、今月は素敵な作品がたく…

『英国メイドの世界』(久我真樹) 同人誌版も持ってますが、勿論買いましたよ! イギリスのメイドと、それを取り巻く生活や社会について詳しく解説した大著です(ホントに分厚いのよ)。まだ手を付けていませんが、ぱらぱら眺めているだけでも愉快です。 『…

『REDLINE』 ノーチェックだったのですが、たいへん評判がいいので観てきました。地元の映画館の最終上映で(すいません先月の話です)。このタイミングで観たのを悔やむほどの気持ちいいアニメでしたよ! 遠い未来、さまざまな異星人たちが行きかう宇宙で開…

『休戦』(プリモ・レーヴィ) アウシュヴィッツで奇跡的に生き延びたイタリア系ユダヤ人の作者が、ポーランドやソ連で収容生活を送った後にイタリアへ戻るまでを書いた手記。収容といってもシベリア抑留などのラーゲリとはまったく趣が違うすさまじい緩さい…

『Cコート』(安彦良和) 復刊していたのを腰を抜かして買ってきました。バブル真っ盛りの80年代終盤、少年キャプテンに連載されていたテニス漫画です。安彦作品のなかでもトップクラスに好きなのですよ(勿論古い単行本も持っています)。コメディ色が強い…

『・・・・・絶句』(新井素子) 書下ろしの番外編も入った新装版ですよ。『・・・・・絶句』は心の奥をいろいろかき乱される作品で大好きなのです。Amazonでも紹介されているあらすじを引用しますと あたし、新井素子っていう19歳のSF作家志望の女の子。で…

『よりぬき水爆さん』(道満晴明) よりぬき水爆さん (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)作者: 道満晴明出版社/メーカー: ワニマガジン社発売日: 2010/09/01メディア: コミック購入: 28人 クリック: 119回この商品を含むブログ (20件) を見る

『フリクリ Blu-ray Box』 きゃっほー買いましたよ買いましたよ。しかし実はまだ観てないのです。こう、腰をすえてじっくり観ないとダメな気がしまして……。そして「超特殊BOX仕様」の名に恥じぬ変てこボックス。お菓子の箱のようになってまして(ポッキーに…

『フリクリックノイズ』 我が魂のアニメ『フリクリ』のブルーレイBOX発売を前に(買いますよ勿論!)、鶴巻和哉さんと貞本義行さんのオーディオコメンタリー本とでも呼ぶべき対談集が出ました。ちょっと読んだだけで猛然と高まるフリクリ欲! 『絶滅した奇妙…

『マカロニ・ウエスタン銃器「熱中」講座』(蔵臼金助) マカロニウエスタンへの愛にあふれた銃器解説本。真面目な(?)ものから、マカロニに欠かせない変てこガンまで縦横無尽に読ませます。特に有名なのが「ジャンゴ・マシンガン」と呼ばれる(棺桶から引…

「CG(カーグラフィック)」8月号 20年ほど前に宮崎駿がシトロエン2CVへの愛を切々と描き上げたコミックがありまして、今発売中のCG誌に再録されています。なぜいま突然。僕も白黒コピーでしか持っていなかったのでこれ幸いと購入しました。密度の濃いエッセ…

「四畳半神話大系」 アニメが最終回で大団円でした。拍手拍手。原作を読んだので結末は知っておったのですが、でもラストシーンで思わず泣きそうに。森見登美彦さんのブログ、こちらやこちらを拝見すると、本当にいいアニメ化だったのだなーと思います。DVD…

ひと月の間にいろいろ見てますが、そのなかからいくつか。 『ベントラーベントラー』3巻(野村亮馬) スコーンと突き放した最終回! この終わり方で文句なしに好きな作品になりました。ところで「虫歯」の回を読んで確信しましたが、作者さんはストルガツキ…

『WORLD WAR Z』(マックス・ブルックス) 人類文明を破滅の淵に追い込んだ「ゾンビ戦争」から10年が経ち、戦争で人々はなにを体験したのかをフェイクドキュメンタリーとして書き上げた一冊。最初は重苦しくじわじわと展開し、突如ゾンビパンデミックが起こ…

『空中軍艦大和1944』(桂令夫) 桂さんの新作小説です。仮想戦記かと思って見逃すのは勿体ない怪作ですぞ。かつてのポプラ社あたりのジュブナイル小説のふりをした、素晴らしい与太話です。小学校の図書室の香りがします。ちょっと冒頭を引用してみますと …