こんにちは

 速水螺旋人です。まんが描いてます。読みはそのまま「はやみらせんじん」でどうぞ。「楽園 Le Paradis」にて「スターリングラードの凶賊」、「楽園 Web増刊」にて「主君と旅する幾つかの心得」、「MC★あくしず」にて「ロージナ年代記」連載中。コミックバンチ「男爵にふさわしい銀河旅行」モーニング・ツー大砲とスタンプ」連載完結。キジバトの声好き。「螺旋人同時上映」「靴ずれ戦線」「速水螺旋人の馬車馬大作戦」「螺旋人リアリズム」「螺旋人モダニズム」「オープンダイス・キングダム」「スパイの歩き方」等。僕の本をまず一冊なら『ワルプルギス実行委員実行する』もしくは『螺旋人同時上映』をどうぞ。読み切り作品集です。

 こちらイラスト置き場です。

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 こちらにもちょこっと。

MINITRUE GALLERY

 以前の絵はこちらに。

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 もはや廃墟と化した昔のサイトはこちら。

■空とぶ速水螺旋人■

 

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お知らせふたつ

 どうにかこうにか確定申告を済ませまして、収入の欄をあらためてなるほどなあーという顔で眺めたりしてました。

 お知らせです。
 東京は清澄白河Books&Cafeドレッドノートにて複製原画展をしております。複製原画だけではなく、原画やネームもどっさり置いてあります。4/7(土)まで。よろしくお願いします。火曜定休なのでご注意ください。
 また同じくドレッドノートにて今月30日(土)にトークイベントをします。おもに「スターリングラードの凶賊」の話をする予定です。他にももうひとつ企画を予定していまして、またお知らせします。よろしくよろしく!
 原画展とトークイベントの詳細はこちらに載っていますTwitterご覧になれる方はこちらこちらを。トークイベントはオンライン視聴もできます。

https://dreadnought20240330z.peatix.com/



 お知らせもうひとつ。
 東京は代官山 蔦屋書店で3/23、24に開催されるサブカル市というイベントでサイン会をします。僕の出番は23日(土)の13時30分~14時15分です。なにかお土産作って持っていきますね。サブカル市は僕の他にもさまざまな企画があるので是非いらっしゃいませ。2週続けてサイン会やトークイベントが入ってるもんだから人が来るかどうか不安だわよ。ほんとに来てね!

store.tsite.jp



 しかしイベントといえばほとんど東京、首都圏ばかりでちょっと心苦しい。北海道や九州でもなにかしたいなー。本業の漫画をがんばって、単行本お届けするのがいちばんではないかしら。そうね……。

 わが故郷ではぼちぼちタケノコが旬です。去りゆく冬を思ってめそめそしていたけど、タケノコは美味しいだろうしお花見もしたいな。

2年という区切り自体に意味はないものの、とはいえ

 ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まって2年。
 やはりロシアは粘り強い。その軍は野蛮ですが決して馬鹿ではなくむしろ自分の限られた手札でいかに戦うかについては昔からきわめて優秀です。経済も今のところ充分に保っています。そもそも経済が最優先の国ではない。
 とはいえクレムリンがこの戦争に勝つことはないでしょう。もしウクライナの西部を割譲して停戦となっても、それは勝利を意味しない。クレムリンがなぜ開戦へ踏み切ったのか、詳細な分析ができるのは当分先のことになるでしょうが、少なくとも影響圏の維持、帝国の維持が目的だったはずです。
 しかしゼレンスキーの排除と傀儡政権の樹立には失敗し、最低でも一世代は続く憎悪を両国民の間に生み出してしまいました。これではルースキー・ミールもなにもあったものではありません。ロシアの西部国境を多少西へ動かしたところで、それはクレムリンの考える帝国の維持とやらに充分でしょうか。

 強権的なプーチン体制もそう長くは保ちますまい。かつてソ連はたとえそれがかりそめのものでも未来と建設のビジョンを提示することができましたが、いまのクレムリンは過去に生きています。率先して国が規範を損ねているような国ではシニシズムが蔓延し活力は失われ、経済制裁も中長期的には効いてくるでしょう。少子化も止まりません。やがて中国のジュニアパートナーになる予測は説得力があります。
 そのなかでの強権をいつまで続けられるか、はたして。現在、大方のロシア人がプーチンを支持しているとしても(積極的に支持しているのは少数でしょうが)……沈滞したロシア社会がそのままプーチン的なものを受け容れ続ける将来もあり得る気がしてきたな。いやいや。
 ロシア人はスターリン時代を経ても活力と批判精神を忘れることはありませんでした。僕は期待します。

 しかしクレムリンが勝利できないことと、ウクライナが勝つことは別問題です。ましてウクライナ人はロシアの変革のために戦っているわけではない(ウクライナの勝利がロシアの変革を早めはするでしょうが)。ここまであからさまな侵略を良しとできるか、プーチン的なやり口を是とするか、できるわけはありません。ウクライナ人が勝利を目指して戦う限り、それを援助するのは義務なのです。

 ことここに至っては日本もウクライナへ武器援助をすべきだと思います。実に気に食わぬことです。断じて武器輸出反対という意見は本当にもっともです。それに一人ひとりのロシア人を殺すことへ自覚的に加担するのはやりきれない。
 ただ、そのためには国政の場で真摯に議論せねばならず、また日本が依って立つ自由と民主と人権という価値観を国の内外へ向け真面目に再確認せねばなりません。パレスチナなどで西側先進国政府の倫理観は相当に怪しくなりましたが、それは自由と民主と人権の概念を損なうものではないはずです。
 教育勅語を信奉するような与党議員や靖国神社へ参拝する自衛隊員を黙認などせず、大日本帝国的なものと決別を明言し、そこではじめて……と書くとやっぱりハードル高そうだなあ。いやいや。

 将来ロシア人がこの戦争をどう評価するのか、ロシア連邦が解体する可能性についてなど考えていることはいろいろあるのだけど、それはまた今度。
 せめて国境なき医師団などへの寄付を今月も続けましょう。

バレンタインデーに編集氏と会食する男

 いやいやたいへんお世話になっております。頭が上がりません。
 はい2024年お初です。本年もよろしくお願い致します。
 暖冬はテンション上がりませんなあ。近々北海道へ遊びに行く予定なのだけど、暖気北上とカチ合う気配でせっかく寒いのを楽しみにしているのに嫌だーッ。しかも北海道を離れるあたりのタイミングで普通に冷えるっぽいのですよ……日程を数日ずらしたい。

 先月、2008年のロシア映画『スチリャーギ』を観る機会がありまして、今のところ2024年映画ベストにしたいぐらい良い作品でした。舞台はスターリン死去後ながらスターリン批判と雪解け以前の1955年のモスクワ。当時のソ連にはアメリカ文化に憧れ、乏しい情報の中から想像したアメリカ風ファッションで身を固めてダンスに熱中するスチリャーギと呼ばれる若者たちがいました。当然良からぬ西側かぶれの流行とされ、当局からにらまれていたのです。そんなスチリャーギたちが主人公のミュージカル。いやあ面白かった。時代を超えて自由を歌いあげ、クレムリンへ向かうラストでは泣いてしまいましたよ。2008年にはスターリニズムへの批判も盛り込んだ、こんな映画が撮れてヒットしたのだなあ……20年もしないうちにここまで世相は変わるものです。

youtu.be



 盟友河嶋陶一朗がひさしぶりの完全新作TRPG『夜のあしあと』を出しました。夜の街を冒険する猫たちのゲームです。テストプレイに参加させてもらいまして、面白かったですよー買おう遊ぼう!

fujimi-trpg-online.jp


 野村亮馬さんの新作『第三惑星用心棒』3巻が出ましたよー、相変わらず面白い。読者を馴染みのないところへ放り出すSFの醍醐味が存分に味わえます。みんな買おう読もう!

www.amazon.co.jp



 今月25日のコミティアに参加します。東京ビッグサイトにて、K27a「ボストーク通信社」です。冬コミで出したラクガキ本と、あと運が良ければ新刊があります。来てね来てね。

 Steamで「RPGツクールXP」が無料公開されたそうで、僕のおそろしく古い絵がどっさり載っております。好きと言ってくださる方もちょくちょくいはりまして、とてもありがたいのですがおそろしく絵が古い……おそろしい!


 九井諒子さんのラクガキ本『デイドリームアワー』が本当に素晴らしくて打ちのめされました。襟を正すというか、自分も密度濃く頑張らねばと思わせる一冊。そう言ってもなかなか実行できないけども、しかししかし。漫画と絵と呑み会と旅行!

元日から大地震があったり、戦争はまだまだ続いていたり、漫画と映像業界で厳しいことがあったり、なかなか晴れやかとはいかない今年ですがやっていくしかないのでやっていきましょう。

師走最終コーナー

 気がつけばもう年の瀬。こうやってあれよあれよと言っている間に人は老い、下手すると老いすらせず、死ぬのだ。なんだか世をはかなむようなことを書いてますが元気です。先日焼肉にも行きました。カルビの脂はもうアカンかもしれないけど。

 クリスマスイブにサンタとなり、ご家庭を訪問してお子さんにプレゼントを渡すボランティアをしてきました。チャリティーサンタというNPOの活動です。TVなどで紹介され、最近認知されてきたブックサンタも同じところですね。
 がっちりサンタ姿で街を歩くとほうぼうからサンタさんだーと声をかけられるのが大変楽しい。こちらもお相手をします。サンタだからね。ふだん引きこもり仕事ですから世間と直接関わりがあることがしたかったのと、サンタには以前からなってみたかったのと、小芝居というかロールプレイ好きを活かすことができる……あたりがこのボランティアを始めたきっかけです。今年で4回目。
 あなたも来年いかがですか。僕ができるのだから大丈夫ですよ、是非に是非に。




 楽園web増刊にて「男爵にふさわしい銀河旅行」のスピンオフ連載「主君と旅する幾つかの心得」第5話が無料公開中です。季節ネタです。面白いよー、読んでね!

hakusensha.tameshiyo.me

 現在発売中のユリイカ、2024年1月号のpanpanya特集号で1ページへなちょこ漫画を描いております。panpanyaさんの作品大好きなのでめちゃめちゃ嬉しい。特集自体も密度濃く、読み応えのある一冊となっているのでpanpnanyaさんのファンはマストバイですよ。

www.seidosha.co.jp



 前日の夜になってからの告知。冬コミラクガキ本ですが新刊出ます。12月31日、西1ホール・め-56a「ボストーク通信社」です。来てね来てね! 次は2月のコミティアになります。


 そんなこんなで、今年はありがとうございました。来年はもうちょっと漫画に遊びに気合い入れて頑張ります。密度濃く行こうな。
 2024年は、いや今すぐにでもロシアはウクライナから撤兵してクレムリンからプーチン頭目とする圧制者たちが去り、イスラエルはガザの破壊をやめてハマスは公正に裁かれ、ミャンマーの軍政は崩壊し、スーダンで殺し合いをしている連中がさっさと飽きる年になりますように。日本人ももうちょっとうまくやろう。明日は自由を。
 とにもかくにもひきつづきご贔屓によろしくお願い致します。良いお年をお迎えください。

おでん食べたい

 前回の記事で人間ドックの結果がまだだと書いた翌日にやって来ました。魔法じみたタイミング、ふむう。
 100億円がまだもらえません。ボチボチだと思うのだけど。
 明日が楽しみだなあ!

 一週間ほど台湾へ行ってきましたよ。
 Covidで海外旅行が随分ご無沙汰だったのでリハビリです。なんと4年ぶりの外国……おお、4年!
 台湾は2度め、前回は台北だけだったので台中と台南をうろうろしました。特に台南いいですね。あと温泉に行ったり張学良が軟禁されていた村を見てきたり。円安の昨今、米ドルやユーロ圏のことを考えると気が遠くなるけれど、台湾はまだ気軽に旅ができます。台湾ドルに対しても円は結構下げてますが……。
 台湾東岸や南端も行きたいし、台南は再訪したいし。台湾の同人イベントも興味が出てきました。まずは台湾の空気を覚えている間に佐藤春夫林芙美子や内田百閒の台湾旅行記、僕が持っている現代台湾作家の本を読み返したい。とか思ってたらキャサリン・アーデン<冬の王>三部作の締めくくり『魔女の冬』が出てしまったではないですか。

 今月23日にソ連建築や文化の研究者、本田晃子さんと現在多忙をきわめる小泉悠さんの間にお邪魔してトークイベント「革命と住宅と戦争と」に出ることになりました。
 ソ連アパートに関する著書『革命と住宅』を上梓されたばかりの本田さん、ソ連アパートに住んだ経験のある小泉さんを前に単なる漫画家がなにを話せばいいのか不安ですががんばります。会場は東京は五反田のゲンロンカフェで、配信もあります。是非是非よろしくお願いします。
 そうそう、台湾の住宅も面白かったんですよ。

genron-cafe.jp



 冬コミ参加します。
 二日目の12月31日、西1ホール・め-56aです。来てね来てね。

 

秋眠暁を覚えずなんですよ

 人間ドックの結果がまだ返ってきません。ボチボチだと思うのだけど。
 インフルエンザワクチンは打ちました。万全!

 『スターリングラードの凶賊』1巻、おかげさまで増刷も決まりました。ありがとうございます。いやーホッとしてます続きもがんばります。
 1話の途中までですが、こちらで試し読みができます。ピンときたら是非お買い求めください。

スターリングラードの凶賊 1巻 - マンガ(漫画) 速水螺旋人(楽園):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -

 1話が掲載されたのとほぼ同時にロシアによるウクライナ全面侵略が始まったのは正直こたえました。企画はもっと前に立ち上げていたので、本来はこの戦争を意識した作品ではないのです(2014年からウクライナ東部で戦争は続いていたというのはその通りなのですが)。しかし作品の舞台である場所はウクライナに近く、また長年興味を持って追ってきたロシアがこのような挙に出た衝撃はどうにも大きいもので、まだ事態を消化できたとは到底いえません。『スターリングラードの凶賊』も、当初考えていた路線から変わりました。連載中ですし、漫画は面白いかどうかが第一ですから最初はどういう想定だったのか、どう変わったかはここで説明しなくてもいいでしょう。

 そういうわけで、『スターリングラードの凶賊』1巻初刷の印税を全額国境なき医師団に寄付致しました。国境なき医師団は現在ウクライナやガザをはじめとした各地で人道支援にあたっています。漫画は生きていなければ読めません。

www.msf.or.jp



 そして1巻の続きがすぐに読めますよ。「楽園 Le Paradis」43号が発売中です。『スターリングラードの凶賊』6話が載っています。作中ではとうとう雪が降り始めました。電書版はひと月先になります。お待たせします。同時発売にならないものですかねえ。

www.hakusensha.co.jp